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おせち料理を作り続けて40年以上

煮豆作りはむずかしい

おせち料理を作るようになってから、40年以上になります。独り立ちするまでは母の助手として、その後は自分でその年の企画を決め、食材を選び、包丁を握りました。

 

大抵のものは一通り型を身につけましたが、どうしても上手になれなかったのが煮豆です。特インゲン豆(うずら豆とか白豆)が苦手で、毎年茹ですぎて皮が破れ、ぐずぐずの餡のようになってしまいます。

 

いろいろな料理を同時並行的にやる中で豆を煮るからいけないのではないか。昨年暮れは、そういう反省の元、あえて料理最終日の大晦日を煮豆だけを行う日と定めました。

 

そして、29日から浸水し、31日は朝からコトコト、ときどき静かに水替えしながら煮込んだのですが・・・。

 

水煮まではなんとかうまくいったものの、最後の甘み付けの段階であえなく失敗。今年も皮を破いてしまいました。それでも何かの勘所のようなものをつかんだ感触もあり、来年はきっと成功させてみせます。

 

ところで、失敗した煮豆は、さすがに客人に出すのははばかられるので、煮汁を切って玄米と一緒に炊き込みます。ほんのり色づいて、甘みのある豆ごはんが炊きあがります。

 

これはこれで大変有効な煮豆活用法です。案外、煮豆もそれだけで食べるより、アレンジ素材として使うほうが美味しいのではないか。ということは、もしかすると、この豆ごはんが食べたくて毎年、無意識に失敗の道を選んでいるのかも。