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餃子の季節は夏?冬?

我が家は11月が餃子の季節

ぎょうざは一年中食べられるメニューですが、多くの方には夏の料理というイメージがあるかもしれませんね。

 

アツアツの焼き立て餃子をフウフウ言いながらほおばって、冷たいビールで流し込む。

 

タレはピリッと辛いラー油と酢をたらした醤油ベースにおろしたての生ニンニクを加え、具にたっぷり刻んだニラを練り込んでいるので、まさに盛夏を乗り切るスタミナ料理です。

 

ところが我が家では、ぎょうざは冬のメニューでした。というのも母が作るぎょうざはガラ出汁の醤油味のスープでぎょうざを煮込むタイプのスープ餃子だったからです。

 

父がニラやニンニクが嫌いだったので、具は豚ひき肉とキャベツと戻した干し椎茸でした餃子と一緒にもやしを煮込み、餃子の日はこの煮込み餃子だけを何杯もおかわりして食べました。

 

母の食事つくりを初めて手伝ったのは、たぶんこの餃子づくりです。薄皮に具材を包んで形よく整える作業が、僕の料理作りの原点です。飽きっぽい僕がなぜかこの餃子包みの時は単調な繰り返し作業を嫌がらずにやっていました。

 

作ったものがその後すぐに料理となって食卓に並ぶのが楽しかったのか、不器用な手付きで水をつけ過ぎて破れそうになった皮をそれでも一生懸命包み込みました。

 

普段は早く宿題しろと、子供部屋へ追い立てる母も、餃子の日は必ず手伝わせてくれました。

 

餃子作りが始まる季節になると、父は物置から石油ストーブを出してきて、乾いた布で丁寧に磨き上げ、芯を取り替えて各部屋に設置しました。

 

そうやって冬は毎年我が家に訪れたのです。