食材のバラエティが必要な理由
2020年09月15日
何を食べたらいいの?
私たちの食べ物はもともとすべて生き物であって、それぞれがいろんな異なる栄養を持ち合わせています。食べたもので必要な栄養をくまなくとるためには、できるだけ多くの種類の食材を口に運ぶのが賢明ですね。
こうして「栄養バランス」を重視するならば、様々なビタミンやミネラルが入ったサプリメント商品で済ませるほうが合理的な気がしてきます。
10年ほど前から、若い人中心に「サプリメント」思考が増えているそうです。栄養素をサプリメントから摂れば食事は適当でもよいと考えるのです。
これは「脳」の思考です。このように極端に単純化された思考に陥るのが、「脳」の思考です。このように極端に単純化された思考に陥るのが、「脳」の特徴なのです。
でも、「からだ」の言い分は違います。先に述べたように食べることはとても複雑な行程を経て、人の身になり、生きる力として働きはじめます。
食事が栄養になり、生きる原動力として処理され、そして排泄に至るまでのプロセスは、それこそ「からだ全体(脳も含めて)」協力し合いたいへんな時間と労力をかけて行う作業です。
高齢者が食に関心をなくしていくのは「からだ」が栄養を求めなくなるなるのではなく、食べて栄養にするまでのプロセスがハードなため、それをやりきる体力を失ってしまうからです。
そうであるからこそ、食べるという営みを通じて「からだ」と「こころ」が一緒に仲良く歩けるようにしたいのです。
食材のバラエティは、多彩な必須栄養を確保するためでもありますが、「からだ」を隅々まで動かし機能させるためにも、食材の多様さが不可欠なのです。
硬いもの、やわらいかいもの、繊維質、骨や皮、消化しにくいもの、一見栄養とは思えないものも、「からだ」を動かす要因として重要なのです。
人類は何億年の進化の過程でそういう「特質」を獲得しながら、今日もまだ進化しつづけていると思うと、生命の不思議さに大きな感銘を抱いてしまいます。