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リンパ球について

リンパ球の役割

攻撃するリンパ球

獲得免疫の中心的存在のリンパ球

自然免疫のマクロファージや、樹状細胞が病原菌やウイルスを貪食して得た情報はリンパ節に伝えられます。

 

情報がもたらされるリンパ節に集まっているのがリンパ球です。

 

リンパ球は白血球のうちの約25%を占め、獲得免疫の中心を担っています。

 

このリンパ球が、樹状細胞やマクロファージが持ってきた病原菌やウイルスのタンパク質の断片情報を調べ「敵か味方か?」を判断するのです。

 

病原菌やウイルスをどのようにして判断するのでしょうか?

 

じつはリンパ球は、その断片情報が「自分のものか、他人のものか」、つまり自己か非自己かを判断するための「台帳」を持っています。

 

リンパ球は、大きく分けるとTリンパ球とBリンパ球があり、Tリンパ球はさらにCD4タイプ(ヘルパーTリンパ球)とCD8タイプ(キラーTリンパ球)に分けられます。

 

Bリンパ球は骨髄で作られた後に直接血中へと入ります。

 

Tリンパ球は胸腺中でTリンパ球になるための分化と選択を経た後に血中に入ります。

 

両者はリンパ管へ流入し、リンパ節のなかを通る血管から出てリンパ節に入ります。その後、再びリンパ管を経て血中に戻ります。

 

こうして、リンパ球は常に体内をめぐり、抗原の侵入がないかどうかをパトロールしているわけです。

 

リンパ球の寿命は、数日のものから数十年におよぶものまで幅が広いです。

Tリンパ球の役割

他のリンパ球の働きをヘルプする

Tは英語の胸腺(Thymus)の頭文字です。

 

胸腺は子供の時に作られる器官で、「免疫の学校」とも呼ばれています。

 

この学校の卒業生が胸腺由来のTリンパ球なのです。

 

体内に住んでいないすべての菌、ウイルスが記録された台帳(非移住者指紋台帳)を持っていて、その登録数はなんと10の16乗、1000兆種類になります。

 

体内に菌・ウイルスが侵入するたびに台帳と照合させ「自己・非自己」(自己か味方か)を見分けるため、抗体ができるまでとても時間がかかってしまいます。

 

「非自己=敵」と判明したらBリンパ球に抗体を作る指示を出します。

 

Tリンパ球の大部分は、他のリンパ球を助ける役目を持っているので、ヘルパーTリンパ球(あるいはヘルパーT細胞)ともよばれています。

 

キラーTリンパ球はウイルスや細菌に孔をあけて、相手を溶かす物質を流し込みます。

 

このとき、必要以上の攻撃が行われないよう、制御性Tリンパ球が免疫反応の抑制と適切な終了の機能を果たします。

記憶Tリンパ球

病原体の記憶を保持するTリンパ球は「記憶Tリンパ球」と呼ばれます。

 

記憶Tリンパ球は、初期感染の際に働いたTリンパ球の一部が変化してできたものです。

 

感染後も長期間にわたって体内に存在し続け、病原体の再侵入時には、ほかのTリンパ球よりも迅速に反応して二次応答を誘導できるように働いてくれます。

Bリンパ球の役割

外敵を逮捕するBリンパ球

Bリンパ球は骨髄由来のリンパ球であるため、骨(Bone)の頭文字が付けられています。

 

Bリンパ球には、Tリンパ球が作成した菌・ウイルスの手の形に合わせた手錠台帳があります。

 

この手錠の役割をするのが、病原菌やウイルスにペタペタくっつく抗体です。

 

血液中をパトロールしているBリンパ球が不審者と遭遇すると、Bリンパ球は自分の持っている手錠台帳と照合し、一致するとその不審者をパクリと食べて容疑者の指紋情報を得ます。

 

そして、この容疑者が「自己か非自己か」を確認するため膨大な数のリンパ球と接触を開始するのです。

 

Tリンパ球の持つ指名手配写真と一致するものが見つかったとき、Bリンパ球は病原菌やウイルスを捕縛する抗体を多量につくり、次々と手錠付きの目標追跡型ミサイルを発射します。

 

抗体の攻撃を受け、集団で手錠をかけられたようにくっつきあって動きがとれなくなった病原菌やウイルスは、マクロファージや好中球によって食べられ分解殺菌されます。

記憶Bリンパ球

初感染したとき病原体の記憶を保持する担当の記憶Bリンパ球が作り出され、生涯保たれます。

 

つまり、記憶Bリンパ球ができていると、抗原が入ってきてからの反応が非常に早くなり、一度感染症にかかると再び同じ感染症にはかからない(あるいはかかりにくい)という免疫の最大の利点「二度なし」の原理が成立するのです。

リンパ球が持つ抗原レセプター(受容体)

Tリンパ球、Bリンパ球のいずれも、細胞表面に抗原レセプター(受容体)という特定の抗原を認識するためのアンテナ(センサー)を持っています。

 

それぞれをT細胞レセプター、B細胞レセプターとよびます。

 

専門用語を使うと「抗原レセプターを発現する」という言い方をします。

 

抗原というのは、われわれの免疫系が認識する標的のことです。

 

たとえば細菌やウイルスがそうです。

 

実際には病原体の表面や内部には抗原となりうるタンパク質が多数存在します。つまり、ひとつの病原体は多数の抗原からなります。

抗原に合わせて作られる抗体

一方、抗原が侵入してきたときにBリンパ球が作るのが抗体です。

 

抗原の定義は、抗体を作る物質です。

 

抗体は抗原によって体内で作られるタンパク質で、特に免疫グロブリンとよばれます。

 

たとえば、インフルエンザ感染が起こると、インフルエンザウイルスに存在するいろいろな抗原に対して抗体ができて、一部の抗体は直接ウイルスに結合して殺します。