運動は免疫力の向上と正常化に役立つ
2020年06月05日
運動が免疫力アップに役立つ理由
適度な運動習慣は、免疫全体を健全な状態に保つために効果的です。
体を動かすと体の緊張がほぐれ、リラックスできます。
運動をすると自律神経のバランスが整えられ、副交感神経がよく働くようになり、体も温まります。
免疫細胞のなかでもリンパ球が活性化し、感染症やガンなどへの抵抗力が高まるというわけです。
また、免疫システムの誤作動や低下によって起こるアレルギーや自己免疫疾患、ガンなどを予防するには、免疫細胞の司令塔である樹状細胞が酸化型でなく還元型であることが大切です。
運動して酸素摂取量を増やすことにより、健全な還元型樹状細胞の増加につながるのです。
適度な運動は生活習慣病を遠ざけてくれる
血液は心臓から送り出されて、ものの1~2分で全身を循環します。
筋肉を動かすことで末梢の血管が拡げられ、全身の血行がよくなり、心臓の負担も軽くなります。
適度な運動は、高血圧の改善にも役立ちます。
また、肥満の解消や、中性脂肪値の改善、HDL(善玉)コレステロール値を増やす効果もあり、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる動脈硬化の進行を抑制することができます。
さらに、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きをよくする働きがあるため、脂肪肝や糖尿病の予防にも役立ちます。
適度な運動を習慣化することによって、メタボリックシンドロームとしてあげられるさまざまな症状が改善されていきます。
体を動かすことはストレスの解消にも役立ちますし、血行がよくなるので、肩こりや腰痛の改善につながります。
骨や筋肉を丈夫にする効果もありますので、総合的な体力向上や老化予防対策としてもおすすめです。
激しい運動は免疫力を低下させる
運動には、重量挙げや短距離走のような、瞬間的に息を止めて力を発揮する「無酸素運動」とウォーキングや水泳のように、体に酸素を取り入れながらゆっくり行う「有酸素運動」があります。
無酸素運動で激しい運動を続けると、交感神経ばかりが働きリンパ球の働きが弱くなります。
激しい運動競技のあとに風邪をひく人が多いのは、そのためです。
また、無酸素運動は、血液中に活性酸素を発生させ、樹状細胞を酸化型に導いてしまうので、アレルギー体質の人は注意しましょう。
免疫力をよい状態に保ちたい人におすすめの運動は、酸素を取り入れながらゆっくり自分ペースで行える有酸素運動です。
運動中には交感神経も働きますが、自然な呼吸を続けることで副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが自然に整う効果があります。
有酸素運動にはウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクス、サイクリングなどがありますが、最も効果的な運動は、楽しく続けられるものです。
日常の活動量を増やして免疫力を高める
免疫力の向上には、生活習慣病の改善によいとされる、1日30分以上の運動量が目安になるでしょう。
2~3回に分けて行って1日に合計30分でも、1日おきに1時間でも大丈夫です。
運動時間が確保できない人は、普段の生活のなかで意識して体を動かすようにしてみましょう。
掃除などの家事も、意識して行えば、適度な運動になります。
外出時にエスカレーターやエレベーターを使わず階段を上り下りするなど、ちょっとしたことでも運動量を増やすことはできます。