不眠や睡眠不足は免疫力を低下させてしまう
2020年05月30日
睡眠障害は病気リスクが高まる
あなたは不眠?快眠?
不眠が続くと免疫力が低下し、風邪をひきやすくなりますが、睡眠障害がうつ病やさまざまな生活習慣病を引き起こし、悪化させることもわかってきました。
睡眠障害のある人は、規則正しく睡眠をとっている人に比べ、血液中に顆粒球(なかでも好中球)が増え、T細胞やB細胞などのリンパ球が減少しているという実験データもあります。
リンパ球が減少すれば、ウイルスなど外敵への攻撃力が低下します。
顆粒球は闘う相手がいなければ、自分の体を攻撃して炎症を起こしてしまいます。
不規則な睡眠は免疫力の低下や誤作動を招くのです。
不眠・睡眠不足が引き起こす病気やリスクは次のようなものがあります。
・うつ病 ・高血圧 ・脳血管障害 ・肥満 ・脂質異常症 ・骨粗鬆症 ・疲労 ・糖尿病 ・心筋梗塞 ・感染症 ・ガン
睡眠のリズムはメラトニンが握っている
規則正しい生活をしていれば、毎朝ほぼ同じ時間に目が覚め、夜になると眠くなります。
これは、私たちの体に「体内時計」が備わっているからで、体内時計は約25時間周期の昼夜のリズムをつくっているのです。
体内時計は中枢部は脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)にあります。
朝、太陽の光が目に入って視交叉上核に伝わると、体内時計がリセットされて交感神経が働きはじめ、体が活動状態に入ります。
目から入った光の情報は松果体に送られ、メラトニンという眠りを促すホルモンを合成するようスイッチが入ります。
ただし、メラトニンの分泌が始まるのは、体内時計がリセットされてから約15時間後です。
暗くなると徐々にメラトニンの分泌が増えるので、夜になると眠くなるわけです。
夜、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減り、睡眠障害につながるといわれています。
睡眠リズムを整えるには、メラトニンの分泌を正常にすることが重要です。
体内時計は約25時間周期なので、毎日リセットしないと1時間づつずれてしまいます。
毎朝決まった時間に太陽の光を浴びて体内時計をリセットし、規則正しい生活リズムをつくりましょう。
※視交叉上核(しこうさじょうかく)・・・約1万個の神経細胞からなる神経核があって、体内時計のリズムを制御する管理者のような役割を果たしています。
体内時計をリセットする方法
日本では4人に1人が睡眠障害を抱いているともいわれています。
睡眠リズムを整えるためには、体内時計のリセットが肝心です。
体内時計をリセットするには太陽の光を浴びることです。
起床直後の光がいちばん効果的なので、起きたらまずカーテンを開け、部屋に光を取り入れましょう。
内臓の働きを活性化するために、朝食もお忘れなく。
睡眠で重要なのは、量よりも質です。
短くても良質の睡眠を確保することが大事です。
睡眠には深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠があります。
すっきり目覚めやすいのは、90分間隔で現れるレム睡眠のときですので、就寝後6時間や7時間半で目覚めるようにすると起きやすいことになります。
また、快眠のためには自分に会った寝具を選ぶことも重要です。
快眠のための環境づくり
質の良い睡眠のためには、日中の過ごし方も大事です。
運動習慣のある人には、不眠の人が少ないことがわかっています。
脳の温度が下がってきたときが眠りに入りやすいので、寝る3時間前くらいに運動でいったん体温を上げておくと、寝つきがよくなります。
入浴も寝付きをよくしてくれます。ぬるめのお湯でゆっくりつかり、その日のストレスを解消させましょう。
快眠を妨げる行為
逆に睡眠を妨げるのが、寝る直前の食事。
体内時計を乱す原因にもなります。
もちろん、覚醒作用のあるコーヒーや緑茶などカフェイン類は禁物です。
アルコールは明け方の睡眠を妨げるので、寝酒もやめたほうがいいでしょう。
夜遅くまでテレビやパソコンを見ていると、強い光のせいでメラトニンの分泌が減ります。
寝室には街灯や月の光が入らないようにしましょう。