「食」と「睡眠」で疲労予防と解消
2020年07月25日
疲労回復専門医がすすめる方法
疲労の防止、または疲労からの回復には、「食」と「睡眠」で工夫することが王道です。以下は、疲労大国日本で最高の疲労回復専門医である梶本修身先生の進める疲労回復方法です。
食による疲労回復方法
朝食
ビタミン類の多い野菜・フルーツを必ず摂る。朝食の内容で、その日の疲労度は決まると言って過言ではないので、朝食抜きはダメ。炭水化物を完全に抜くなどはしてはいけません。タンパク質、脂質、炭水化物をバランスよくが基本です。
職場での昼食
一人でゆっくり食べるのが理想です。同僚や上司と話しながらは、リラックスして食事に集中できないのでダメ。
食材
疲労回復のための抗酸化物質の王様「イミダペプチド」をたくさん含む食材は鶏むね肉、豚ロース肉、マグロ赤身、カツオなど。それぞれ1日に素材ベースで100mgくらい摂れると理想的。
夏にお勧めの飲料
甘酒(アミノ酸・ビタミン類の宝庫)は、不足しがちな細胞再生素材である各種アミノ酸、ビタミン類をバランスよく摂れる。
クエン酸
イミダペプチドとならび、エネルギー生産を助けることで、疲労回復に貢献するのがクエン酸。黒酢・梅干し・柑橘類も夏は毎日口にしてほしい食べ物。
睡眠による疲労回復方法
入浴
シャワーでささっと済ませる。体温を上げない。
入眠時
最初の3時間で質の良い眠りを確保すること。そのために寝る2時間くらい前から準備。照明を落とした環境に入り、食事をせず、静かな環境へ移る。コンビニのような明るい場所へは行かない。布団にはいったらスマホなどをいじらない。
寝る姿勢
横向きに寝て、いびきをかかないようにする。いびきは呼吸困難状態になっているため、心拍数や血圧を上げようと自律神経が働き始めてしまいます。
寝付けない時
いったん布団の外に出て、水分を取り、トイレに行って気持ちをリラックスさせる。本を読んだり、テレビを見たりはしない。
目覚め
やわらかな自然の光が入ってきて、自然に目が覚めるのが理想。目覚ましの音で起きるのは、いきなり自律神経が働き始めるのでよくない。
疲労回復法のウソ
熱い湯の入浴は疲労回復にならない
熱い湯に入ると疲れがとれて気持ち良い感じがするのは、脳内で快感物質が生まれるため、ポジティブな気持ちになるのと同じ効果です。これは「疲労感」へのマスクに過ぎず、「疲労」の解消ではありあmせん。
カルシウムでいらいらは解消できない
イライラ=自律神経の疲れは、カルシウム不足などと、よく言われます。これには全く根拠がありません。神経伝達物質にはカルシウムが関与しますが、必要なカルシウムは大量に骨に蓄えられていて、必要に応じてこの貯蔵庫から流用されます。イライラは神経伝達物質の不足ではなく、過剰な使用による神経細胞の壊れなのです。