『年代別女性の健康と働き方』
2020年02月06日
女性のライフステージと健康課題
『年代別女性の健康と働き方』
(ワークライフバランスとヘルスケア)
編著:NPO法人女性の健康とメノポーズ協会
2012年に同協会が編集発行した『女性の健康と働き方マニュアル』は、働くことと育児・介護などのライフプランに加え、女性特有のからだの移り変わりやそれに伴う健康課題を合わせて考えることのできる、日本で初めての総合的なマニュアルでした。今月紹介する『年代別女性の健康と働き方』(ワークライフバランスとヘルスケア)は、このマニュアルを、同協会が主催する「女性の健康検定」の公式テキストとして刷新したものです。
全体の構図は?
まず全体の構成を見てみましょう。
- ワークライフバランスとは
- 女性ホルモンとからだの不調
- 年代別のライフステージと健康課題
このうち1)2)が総論で、「ワーク」「ライフ」「ヘルスケア」という三つのフィールドが三位一体で切り離せないものである、という協会の考え方、そして「ヘルスケア」は女性ホルモンの進退に沿って取り扱われるべきという女性医学の考え方が紹介されます。
そして中心となるのは3)の部分です。アラウンド20(15歳~24歳)アラウンド30(25歳~34歳)アラウンド40(35歳~44歳)アラウンド50(45歳~54歳)アラウンド60(55歳~64歳)アラウンド70(65歳~74歳)と10年刻みの6年代ごとに、そのライフステージにおけるからだと心の問題が取り上げられます。
- アラウンド20:月経に関わる不調、性感染症、摂食障害等
- アラウンド30:妊娠・出産、子宮内膜症、乳腺炎、過敏性腸症候群、パセドウ病等
- アラウンド40:子宮頚がん、乳がん、橋本病、うつ病等
- アラウンド50:更年期、卵巣がん、関節リウマチ等
- アラウンド60:生活習慣病、骨粗鬆症、サルコペニア・フレイル、泌尿生殖器委縮等
- アラウンド70:骨折、認知症、介護保険等
扱っている対象範囲は大変広いのですが、簡単な言葉でわかりやすく書かれています。全体の装丁もカラーでかわいらしいイラストや簡易な図解がたくさんあり、全体をぱらぱらめくっているだけで女性の一生がストーリーのように入ってきます。私のような男でも、改めて女性というものが男とは少し違う生き物であることが、理解できます。結婚したての男性が女性を身近に感じるための入門書としても使えますね。というわけで男女にかかわらず人生を長いスパンで考えてみたい人にはぜひお勧めの一冊です。