笑うことは免疫向上の特効薬
2020年08月24日
免疫力向上の特効薬「笑い」
色々なウイルスが蔓延して不安になると、誰もがそう思うかもしれません。そんな”特効薬”を私たちは誰もが持っていることをご存知でしょうか。
その免疫力向上の”特効薬”とは、笑うことです。
「そんな簡単なことで免疫力がアップするわけがない」と思うかもしれません。「不安なときに笑えるわけがない」と思う人もいるでしょう。しかし、たくさん笑って気分が明るくなれば免疫力が向上することは、多くの研究によって証明されています。
心から「おもしろい」と笑えるのならば、何でもよいのです。お笑い番組でもよし、バカ笑いできるコメディー映画のDVDを借りてきてもよし、漫画や本を読んでもよし、家の中で一人で笑う方法はいくらでもあります。
免疫力を高める笑い方のコツ
明るく楽しい生活やポジティブな思考が免疫力を高めてくれるのですが、笑いで免疫力を高めるためには、笑い方も重要なポイントになります。
まず、「楽しく笑う」ことを出発点にして、最終的には「声を出して笑う」ところまで発展させます。もっとも大事なのは、大きな声を出して笑うことです。
大声で笑うと、横隔膜の上下運動と腹圧の増減によって内蔵が刺激されます。すると、小腸や大腸の蠕動運動が活発になります。腸が刺激されて、働きがよくなるのです。
免疫力が向上する笑いの効用
なぜ、笑いが免疫の特効薬となるのでしょうか。大きな鍵を握るのは、NK(ナチュラルキラー)細胞という免疫細胞の一種です。NK細胞は免疫システムのパトロール部隊です。体内をめぐりながら異常がないか常に観察し、異常を見つけたらただちに攻撃を開始します。
また、ウイルスがたくさん浮遊する場所にいた場合、発症する人としない人にわかれるのも、NK細胞の強度違いが大きいでしょう。NK細胞が体内に侵入してきたウイルスをたちどころに殺してくれれば、私たちは発熱や喉の痛みなどに苦しむことがなくなります。
ところが、NK細胞は環境に影響されやすいといいう性質を持ちます。ちょっとしたことで活性を落としてしまうのです。NK細胞の活性をもっとも落とす原因は、精神的なストレスです。ストレスが強くかかる環境にいる人ほど、免疫力が低下し、病気を発症してしまうのはこのためです。アレルギー症状も強く現れるようになります。
このことは大勢の研究者が実証しています。ガンや心臓病の患者さんにお笑い公演を見てもらい、NK細胞の活性を測定したところ、ほとんどの人で観覧後にNK細胞の活性が高まったという研究報告があります。
ほどほどの笑いは運動よりも大事
忙しくストレス過多な毎日を過ごしていると、笑うことを忘れがちになります。お笑い番組などを見て大声を出して笑う時間が無駄に思えることもあるでしょう。しかし、大声で笑う時間を持つことは、運動をすること以上に、免疫力を高めるために大事なことなののです。
ただし、一つだけ注意をしてください。「笑えば笑うほど免疫力が向上する」とはならないことです。何時間も笑い続けていると、今度はNK細胞の活性が落ちてしまう人が多くなるのです。大事なのは、楽しく心地よくなる「快の笑い」であって、笑い続けて疲れてしまっては元も子もないというわけです。