冷えと免疫
2015年07月03日
体が冷えると免疫力は低下する
体温が低い人は、病気にかかりやすいと言われています。
冷えは血液のめぐりが悪い状態なので、体の隅々まで栄養や酸素が行き渡らず、細胞の新陳代謝が悪くなり、免疫細胞の機能低下を招きやすくなるのです。
体温が1℃下がれば免疫力が30%低下するといわれています。
冬に風邪をひきやすいのは、外気の寒さによる体温低下が免疫力を低下させるためです。
しかし、「冷え症」の人は、周囲の人たちが寒さを感じない季節でも、手足の冷たさや肌寒さを覚えるのが特徴です。
その理由は、「冷え症」が自律神経の失調によるからだの内部の冷え=低体温による症状だからです。
その方の「冷え」の原因が自律神経の失調にあれば、症状として、肩こり、腰痛、便秘、疲労感、めまい、睡眠障害、食欲不振、気力低下などもみられることでしょう。
この自律神経失調によって、からだの内部では次のような変調が発生します。
◆血流の停滞
◆免疫細胞の減少
◆新陳代謝の停滞
◆消化力の減少
こうしたからだの働きの変調が、肩こり、腰痛、便秘、疲労感、めまい、睡眠障害、食欲不振、気力低下などの症状を引き起こす原因となるわけです。
冷えからくる自律神経失調により発症する病気
さらに、単なる「冷え」として自律神経失調を放置しておくと、次のような病気を引き起こす可能性につながります。
◆免疫不全による発症・・・がん・アレルギー疾患・リウマチ
◆心のバランスの崩れによる発症・・・うつ・統合失調・更年期障害
◆体内脂肪の冷えによる発症・・・心臓病・脳卒中・肥満(メタボリック)
◆血流障害による発症・・・子宮筋腫・卵巣胞腫・不妊症・糖尿病
一方、私たちが自律神経失調におちいったとき、「免疫」はその不調を助けるためにいち早く働いてくれます。
「免疫」はからだの様々な機能の不調を整える役割も担っているのです。
この場合、免疫は自律神経の失調を元に戻そうと懸命に働きます。
ですが、免疫の力にも限界があり、自律神経を助けるために働けるのはわずか数日です。
自律神経の不調を手当しないで放っておけば、免疫の力も尽きてしまうのです。
その結果、冷えや肩こりなど様々な症状の慢性化、悪化に悩まされるばかりか、命に関わる大病につながっていきかねないのです。
冷えの改善において大切なのは、「冷え=遺伝的な体質」ではないという事実を知ることです。
冷えを解消して免疫力を上げる方法
冷え性を解消するには、体を温めて血液循環をよくすることですが、体を温めるには、体の外側から温める方法と内側から温める方法があります。
外側からの冷え性対策は、ぬるめの湯で入浴する、半身浴をするなどが効果的。
あまり熱いお湯だと体の表面だけが温まり、冷めるのが早くなりますので、40℃以下のぬるめの温度にゆっくり浸かるのがおすすめです。
また、手足のマッサージやツボの刺激なども効果的です。
体をきつく締め付けるような下着は、冷えをもたらしてしまいますので避けましょう。
内側からの冷え性対策は、飲食物が有効です。
バランスのとれた食事を摂ることが大切で、特にタンパク質は不足しないように心がけましょう。
極端な食事制限のダイエットなどは冷え性の原因となりますのでご注意ください。