どんな便が理想なのか?
2022年03月02日
便は腸内環境を映し出す鏡
腸と腸内細菌が健康に働いているかどうか、そのいちばん分かりやすい目安となるのが日々の便です。
便とは腸というパートナーからのメッセージのようなもの。
腸が調子よく働いているときは、立派な便を出してくれますし、いまひとつ調子がよくないときは、硬い便や軟らかい便を出してきます。
そして、これはダメだというときは、便秘や下痢で不調のメッセージを送ってくるのです。
ですから、毎日トイレのたびに、じっくりと状態を確認することが大切になります。
ぜひ、色・形状・硬さ・におい・量などをチェックする習慣をつけるようにしましょう。
便の色で腸内環境を判断する
色については、善玉菌(ビフィズス菌)が多く含まれる赤ちゃんの便は黄色に近く、年齢を重ねるほど茶色から黒っぽい色の便に変化していく傾向があります。
ただ、これはあくまでも傾向であり、中年期から老年期に食生活やストレスケアに留意し、腸内フローラの改善に努めていくと黄色に近い黄土色の便に変化していき、これがある程度は維持できるようになります。
ペーハー(pH)で言うと、赤ちゃんの黄色い便は4.5~5.5の酸性レベル。
これが黄土色から茶色になるにつれ6.5を超えるようになり、7以上になるとアルカリ性の黒い便に変わってしまいます。
便の色が茶色や黒いからと言ってすぐに病気につながるわけではありませんが、腸内フローラが悪玉菌優勢になっていると考えて間違いありません。
便の色は食事で改善できる
食事の改善やストレスに努めていけば便の色は徐々に変化していきます。
腸内フローラが異なるため赤ちゃんのような黄色の便になることは無理ですが、茶色や黒色の便から黄土色くらいに変化すれば体調はかなり良くなるでしょう。
ブドウやブルーベリーをたくさん食べた時は便がかなり黒ずむので、これは差し引いてください。
ちなみに、豆腐や野菜などの精進料理を中心に食べている禅寺のお坊さんたちの便の色は黄色に近く、茶色や黒色をした便の人はいないそうです。
また、便がカチカチで硬かったり、コロコロした状態であったりする状態は便秘であることが多く、排便習慣は不規則で、便の色も黒褐色になります。
便の硬さで腸内環境を判断する
一般的には、カチカチの硬い便しか出ない状態は「弛緩性便秘」と呼ばれ、女性に多い便秘症状として知られています。
一方、コロコロの便ばかり出るのは「けいれん性便秘」と呼ばれ、下痢を伴うことも多く、仕事や人間関係などで精神的なストレスが多い時にかかりやすいようです。
このほか、高齢者に多い「直腸性便秘」は、老化によって腸の蠕動運動が低下し排便する力が衰えてしまう便秘症状で、悪化すると介護なしには排便ができなくなります。
また、こうした一般的な便秘(機能性便秘)とは別に、腸管が細くなったり、大腸にポリープのような異物ができたりすると便が通過しにくくなり、場合によっては血便や黒っぽいドロドロの便が出ることがあります。
理想の便に変える方法
お腹の調子が悪い時の便に対して、腸内フローラをビフィズス菌優勢の状態に改善させていくと、バナナ状のほどよい柔らかさの便が毎日スムーズに出るようになります。
食物繊維の多い食事をしっかり摂っていれば、こうしたバナナ状の便が1日2回は出るようになります。
ヨーグルトやオリゴ糖、乳酸菌生産物質なども大きな効力を発揮するでしょう。
腸内環境を整え、体質改善したいという人は、「黄土色をしたバナナ便」を健康管理の目安にしてください。