むくみ腸を改善して便秘解消
2020年09月07日
「むくみ」は腸にも起こる
「むくみ腸」という言葉があります。全身のむくみの源は腸にあり、体調不良も、気力の低下も、感情的なイライラも、腸のむくみが原因で、腸のむくみを改善していくことが、元気に生きるいちばんのカギ、という考え方です。
では、腸がむくむとはどういうことなのでしょうか。腸の状態を内視鏡で観察すると、むくみ腸は、健康な腸に比べて腸管がパンパンに腫れて分厚くなって、動きも悪くなっているそうです。
そして、腸がむくんでいる人に共通している症状が、便秘なのです。刺激性の下剤を使い過ぎている人では、腸の粘膜が黒く変色してしまっている人もいるとのことです。
むくみ腸の原因は便秘による炎症
何日もお通じがないような状態が続くと、腸に炎症が起きて血流が悪くなります。腸管の中には、悪玉菌が作る有害物質が常にある状態です。それを薄めて無害化しようと、腸はどんどん水を溜め込もうとします。それでむくみが起こるのだろうと考えられています。
ちなみに、便秘の人の脚のむくみは、本当にガンコで、血行不良を改善するため温めたり、マッサージをしたり、しょうがをとったりしてもなかな改善されないみたいです。慢性的な便秘症の人は、腸からむくみを取らないと、むくみ解消は難しいと思われます。
むくみ腸の人の腸の状態
1つ目は、小腸の粘膜にある突起「絨毛」が短くなること。絨毛は、病原菌や有害物質などから体を守る「腸管バリア機能」や、栄養を吸収する働きを担っています。その絨毛が短くなるとうことは、免疫力が低下し、栄養の吸収も悪くなるということです。
2つ目は、腸壁の筋肉が肥厚するために、腸の動きが悪くなること。便がますます出にくくなりますから、悪循環です。
3つ目は、神経細胞の変性です。腸壁には、マイスナー神経叢、アウエルバッハ神経叢という神経があって、腸管の運動を調節したい、粘膜の腺分泌を調節したりしています。便秘が慢性化すると、こうした神経細胞もうまく働かなくなり、腸の蠕動運動が低下してしまうと考えられます。
便秘解消は下剤に頼らない
「とりあえず便秘を解消すればいいのね」と、安易に下剤に頼らないでください。腸の血流障害や炎症は、刺激性の下剤の使用でも引こ起こされてしまうのです。
また、人の腸は加齢によっても、悪玉菌優位になり、腸管バリア機能が低下することで慢性の炎症が起こりやすくなります。
むくみ腸を放っておくと、太りやすくなる、風邪などにかかりやすくなる、便秘が慢性化しやすいなど、全身に影響が及びます。むくみ腸を甘く見てはいけません。
むくみ腸を改善する方法
むくみ腸を改善する方法はいくつかあります。
まず無視できないのが、自律神経とのつながりです。腸の神経細胞と協調して働いているのが自律神経であり、自律神経のバランスがよい人は腸の状態もよく、反対に自律神経のバランスが悪い人は腸の状態も悪くなります。逆も同様で、腸の状態を良くしておけば、自律神経のバランスが整いやすいといえます。
自律神経や腸の状態は、やはり何といっても日々の生活習慣に大きく左右されます。不摂生をしたり、脂肪分の多いものばかりを食べたりしていると、あっという間に悪玉菌に腸内を支配され、腸内環境が悪化してしまいます。
むくみ腸を改善する方法として、特に食事は重要なポイントになります。
・発酵食品を摂って善玉菌を直接腸に送り込む(プロバイオティクス)
・善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を上手に摂る(プレバイオティクス)
こうした方法で善玉菌を効率よく増やしていくと、腸内環境が比較的スムーズに改善されて、腸のむくみが引いていきます。善玉菌と仲良くなって、腸の中にたくさん棲んでもらいましょう。