理想の腸内細菌バランス
2019年06月10日
善玉菌3、悪玉菌1、日和見菌6が理想のバランス
腸内フローラを形成している腸内細菌は大きく、「善玉菌グループ」「悪玉菌グループ」「日和見菌(中間菌)グループ」の3つに分けられます。この呼び名は、宿主である人間にとって有用か有害かという点を基準にしたもので、便宜上の呼び名にすぎません。あくまでも、人間の尺度から判断した善悪ということです。
健康を手に入れるためには悪玉菌グループを排除することよりも、善玉菌グループを増やすことがカギ。善玉菌20~30%、悪玉菌10~20%、日和見菌60~70%が理想の腸内細菌バランスです。善玉菌優勢な状態に変えていくことが、腸内フローラのバランスを保ち、宿主の健康状態を高めることにつながるのです。
役に立たない菌、有害な菌が存在していても、この20%~30%の善玉菌たちが働いてさえいてくれれば、日和見菌たちも味方して腸内フローラは安定し、免疫も活性化します。それで十分に健康は保たれるのです。
善玉菌とは
善玉菌は、その名の通り善良で優秀な細菌の種類です。ビフィズス菌、乳酸菌、麹菌、酵母菌などが相当します。これらの細菌は、腸内を酸性に保って免疫が働きやすい環境を作り、有害菌の増殖を抑えたり、ビタミンを作ったりと、健康作りのために必要なさまざまな仕事をこなしてくれます。
悪玉菌とは
悪玉菌は、目を離したすきに悪さを働きやすい要注意の細菌。一部の大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌などが相当します。これらは腐敗型細菌とも呼ばれ、有害物質を作り出して、ガンや生活習慣病胃の原因物質になります。また、悪玉菌たちが増えてくると、腸内がアルカリ性に傾いて免疫力が落ち、感染症や病気になりやすくなります。
日和見菌(中間菌)とは
日和見菌は、その他大勢の細菌たちで、バクテオ、連鎖球菌、土壌菌など多くの種類があります。日和見菌という名前の通り、善玉菌・悪玉菌の優勢な方につく性質があり、善玉菌が多いときにはそちら側に味方し、悪玉菌が多いときにはそちら側に味方するのです。腸内細菌の大多数は善でも悪でもない、どっちつかずの日和見菌で占められています。
腸内細菌バランスが最重要
健康づくりの工場である腸内フローラでは、善玉菌グループの細菌が多いと腸内環境が良好に保たれて細菌はせっせとまじめに働きますが、逆に、悪玉菌グループの細菌が増えると、腸内環境が荒れて善玉菌は働きずらくなるうえに、普段はおとなしい日和見菌グループの細菌たちも悪玉菌グループに巻き込まれてしまいます。
健康な大人の腸内フローラの善玉菌の割合は20%~30%程度で、腸内環境改善に取り組めば、ビフィズス菌が増え、その割合がどんどんと増すといういわけではありません。食事やサプリメントなどで腸内フローラを改善していっても悪玉菌が完全に無くなることはありません。ある割合のところでバランスが保たれ、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の共生関係が成り立つようになります。健康な人の腸内フローラでも、ごく少数ですがウェルシュ菌は棲息しているものなのです。
悪玉菌も「必要悪」としての役割を果たしているところがあります。悪玉菌のなかには、ビタミンを合成したり、病原菌を追い出したりといった頼もしい働きをしてくれるものも存在します。あくまで、数が増えすぎると厄介な問題を引き起こすということであり、数が少ない腸内環境が保たれている分には、けっこう役に立ってくれる存在です。
善玉菌の割合を増やしていくと、相対的に悪玉菌の影響力は低下していきます。ウェルシュ菌のような極悪の菌が存在していても、腸内フローラのバランスがとれている限り、宿主の健康を害するような活発な働きはしないということです。
要するに、腸内細菌で大切なのはバランス。善玉菌20~30%、悪玉菌10~20%、日和見菌60~70%のバランスをキープしていくことが、腸内細菌たちのヤル気を引き出す理想的な環境なのです。