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腸は人体最大の免疫器官

病気にならないように腸が体を守っている

よく、「免疫力が高いから、風邪やインフルエンザにかかりにくい」「免疫力が高いとガンになりにくい」というようなことを耳にすると思いますが、それはなぜなのでしょうか?そもそも免疫とはどういうものなのでしょうか?詳しく、わかりやすく説明しましょう。

 

私たちの体には、病気にならないように自分の体を守る機能がもとからそなわっています。これが「免疫」です。その働きに関わる機関を「免疫系」と呼び、免疫の程度を示すのに「免疫力」という言い方をします。免疫の役割は、「疫(えき)」から「免(まぬが)」れる、すなわち、体内にある病気の原因を無害化して健康を守ることです。

 

つまり、体外から体内に侵入した細菌やウィルスなどの病原菌や、細胞の突然変異によって発生したガン細胞を攻撃して無力化させ、病気の発症や体の不調を防ぐのです。

 

そのために働いているのが、簡単にいうと、マクロファージ、顆粒球、リンパ球などの「免疫細胞」や、細菌を破壊して溶かすリゾチームや免疫反応を補助する補体、ウィルスの増殖を抑制するインターフェロンなどの「免疫物質」です。

 

このうち免疫の中心をになうのは、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞などからなるリンパ球です。リンパ球は、骨内部にあるやわらかい組織である「骨髄」で作られ、白血球中に存在して血液の流れにのっています。人体の器官分布でみると、その60%以上が腸管に存在しています。

腸に6割もの免疫機能が集中している理由

その理由は、腸が外界とつながっている器官だからです。腸とつながる口からは、食べ物や飲み物に加え、微生物などの異物や細菌やウィルスなどの病原菌も入り込みます。そのため、腸の免疫機能が高くないと、外界から侵入する異物や病原菌に立ち向かえず、いつも病気に悩まされることになるからです。

腸管免疫力を高めると病気にならない

腸管免疫系の特徴としては、次の2つがおもなものになります。

 

  • 細菌やウィルスなど危険な病原菌を排除する
  • 食べ物や腸内細菌などの安全なものは排除しない

 

これは一見あたり前のように思えますが、腸が持つ高度な免疫機能を表しています。つまり、腸管免疫系は、まず、腸に入ってきた物質を体にとって危険なものと危険でないものに識別します。その後、危険度の有無によって、必要な免疫反応を起こしているのです。細菌やウィルスなどの病原菌が体に入ると、腸管免疫系によって「有害」と認識され、免疫反応を起こして病原菌を無害化して排除します。このようにして、人の体を守るのです。

 

一方、食べ物や腸内の常在菌に対してはこのような反応は起こらず、「有益」なものとして受け入れます。口からいろいろなものをとりいれても、私たちが健康を守れるのは、腸管免疫のこの高度な識別能力と免疫反応があるからこそ。ただし、このメカニズムが働くためには、腸管の免疫力が良好な状態であることが必要です。腸管の免疫組織が弱いと、病原菌に打ち勝つことはできません。

【まとめ】

腸は最大の免疫器官です。
病気にならないためには、「腸管免疫力を高める」ことが重要なのです。腸に老廃物がたまらず、腸内環境が良好であれば、腸内細菌のバランスもよく、それに応じた免疫力も高まります。逆に、腸内環境が悪いと、悪玉菌が増え過ぎ腸内細菌のバランスが崩れて免疫力も低下してしまうのです。