活性酸素が細胞を破壊し疲れさせる
2020年09月03日
疲労とは細胞の壊れのこと
私たち日本人は「疲労」を「疲れ」という情緒的・感覚的な言葉で表現することに慣れています。だから「疲労」を”からだ”というよりも”こころ”とか”感覚”に起きている問題と考えがちです。
そして、こころが前向きで「疲れ」を感じないことが、あたかも良いことであるかのように錯覚することもあります。
これだけは忘れてほしくないのは、「疲れを感じないことは良いことではない」、ということです。
「疲労」と疲労感は違う
私は山登りが趣味なのですが、天候の良し悪しが下山したときの「疲労感」に大きな差がでます。快晴のもと、頂上からの大展望を眺められた時には、その満足感、達成感で文字通り”疲れ”を忘れます。
一方、努力の甲斐なく、霧に包まれて視界ゼロの中では、頂上は”ただ来ただけ”で下りの足取りは重く、早く家に帰ることだけを考えてしまいます。
消費エネルギーも疲労内容も同じなのに、「疲労感」には違いが出ます。この場合、「疲労感」=「疲れ」はからだの「疲労」を正しく反映しているとは言えません。
「疲労」とは細胞を酷使することで、細胞が壊れる現象を意味します。細胞の壊れを修復せずに放置すれば、破壊面積は広がります。すなわち、「疲労」は蓄積するのです。
「疲労」は活性酸素が引き起こす
細胞が壊れるのは、細胞を過剰に使うと、そこでのエネルギー消費の過程で大量の活性酸素が発生し、細胞を酸化させるからです。
激しい運動や緊張を持続しなければならない仕事が続いている時に、レモンのようなビタミンCを摂取すると疲れが取れる気がするのは、ビタミンCが活性酸素を除去する力が高いからです。
疲労の問題点は自律神経細胞の破壊
夏に「疲労」がたまりやすいのは、温度変化への調節のために自律神経が酷使されるからです。自律神経は温度変化や環境変化やストレスの多寡に合わせて、目まぐるしくギアチェンジを行います。
これが細胞の壊れを生み、「疲労」になります。夏は炎天下と冷房下を行き来しているだけで、自立神経のオーバーヒートを生みます。
筋肉の細胞なら痛みを伴いますから、自然と使用せずにおいて回復を図ることができます。しかし、自律神経の壊れは痛みがなく、そのうえ「疲労感」にマスクをされてしまうと、さらに酷使することがきてしまいます。
自律神経細胞は、このようにどうしても疲労蓄積を起こしやすい性質があるのです。
「疲労」が老化を促進する
「疲労」の蓄積とは、イコール細胞の老化です。壊れた細胞を放置しておくと再生能力が衰え、そのまま傷になります。加齢は細胞修復能力を衰えさせますが、「疲労」の蓄積はその「老化」を加速させることになるのです。