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免疫を高める睡眠法

良い睡眠が免疫力を高める

睡眠は、一日働き続けた体をしっかり休ませる大切な時間です。
眠ることにより、脳や神経、細胞に休息を与えるとともに、ホルモン分泌や内臓機能の働きが整えられるのです。
免疫の働きは夜の22時以降に最も高くなります。できればこの時間帯から質の良い睡眠を取ることで、免疫が内臓や細胞の修復を進め、疲労した脳や内臓を正常に整えてくれます。

すぐに目が覚めてしまう眠りや、アルコールや薬の影響が残ったままの眠りは脳も体も充分には休まりません。
質の良い睡眠をとるために重要なのは、心身リラックスした状態で眠りにつくことです。

仕事や人間関係のストレスは自律神経の交感神経に緊張が続くため直に免疫を低下させる原因です。と同時に質の良い睡眠の妨げにもなります。悩みや不安を抱いたままでは深い眠りに入ることはできないでしょう。嫌なことは少し遠ざけて過ごすことが賢明です。

免疫力を高めるには、健やかな眠りにつく態勢づくりを心がけてみましょう。

質の良い睡眠をとる方法

◎ゆっくりお風呂に入ってリラックスする

体温プラス4度の温かめのお風呂で身体を温めると自律神経が副交感神経(リラックス)に傾いて寝つきやすくなります。熱い湯は交感神経(興奮、緊張)を刺激して寝つきを悪くします。また、ストレッチなどの軽い運動で身体を温めてもよいでしょう。

◎明かりを暗くして床につく

昼間に自然光を十分に浴びると、夜暗くなるほど眠りをうながすメラトニンというホルモンの分泌量が増えます。しかし、蛍光灯やテレビ、パソコンの明かりによって交感神経が緊張するとメラトニンがあまり分泌されず、眠れなくなってしまいます。

◎朝起きて太陽の光を浴びる

人の体内時計は25時間周期で太陽リズムとは若干の違いが生じます。人はこのズレを調整して過ごしています。このリセットは目に入った太陽光が体内時計を調整することで行われるため、朝日を浴びることで毎日同じ時間帯に眠れるようになります。日の長い夏は睡眠時間が短くなり、夜の長い冬は睡眠時間が長くなるのは自然であり、健康な証拠です。

また、仕事の事情などで昼夜逆転の生活をしている方は、夜勤明けに太陽光を直接浴びないようサングラスをかけるなど工夫しましょう。そして帰宅後はシャッターや遮光カーテンで暗くし、できるだけ夜のような環境を作って就寝するようにしましょう。

ぐっすり眠れてすっきり起きれる人こそ、免疫力の強い健康な人に違いありません。

眠りに自信のない方へ

健康睡眠アドバイザー、大郷卓也さんの『100年続く老舗寝具店の店主が教える 最高の眠り方』には、こう書かれています。

「からだの不調や心の不安が安眠を妨げているのでしょうか? いえその逆です。あなたの眠り方が、からだの不調や心の不安をもたらしているのではないでしょうか? 眠りの質が向上すれば、人生そのものが変わります」

書籍「最高の眠り方」

著者の大郷卓也さんが眠りのスペシャリストになったのは、代々お布団を売ってきたからではありません。
中学生の頃に「突発性血小板減少性紫斑病」という難病をわずらい、自らの命を救うために長きにわたって試行錯誤を重ねた結果でした。
ご自身が病院や健康食品ではどうにもならなかった難病を眠りの改善によって克服したからです。
眠りのプロ、大郷さんが提唱する安眠のコツを簡単にご紹介しましょう。

安眠のコツその1,仰向け寝

寝姿勢の基本は仰向け寝。眠りに入るとき仰向けに 寝て、朝起きたときにも仰向けならOKです。そして 一晩に20回ほど寝返りを打つのが理想です。寝返りは自分では数えられませんが、「寝返り体操」を行うと 自然に上手な寝返りが打てるようになります。

免疫力を高める寝方

安眠のコツその2,鼻呼吸

睡眠時の正しい呼吸は鼻呼吸。寝姿勢が良くない方や鼻づまりの方は、口で呼吸してしまい、癖になってなかなか直りません。鼻呼吸は深い眠りに欠かせないので、起きているときから意識して鼻呼吸を行い、睡眠時の癖を正していきましょう。

安眠のコツその3,適正な寝具

正しい寝姿勢を保つには、適度な高さと固さの枕や布団を選ぶことも大切です。枕の高さは立って本を 読むときの首の傾きを、そのまま仰向けに寝るイメージで調整してください。枕の高さは女性が1~2センチ、男性は3~4センチ、高めに慣れた方、体格の良い方には5~7センチをお奨めします。やわらかいものより固めがよいです。

安眠のコツその4,適度な運動

安眠のための運動ですから日常生活の中で行えるもので十分です。お天気の良い日の買い物に自転車を使ってさわやかな風に吹かれる。電車やバスをひと駅前で降り、歩いてお散歩の代わりにする。たまにぞうきんがけをしてお部屋がきれいになるよろこびや達成感を感じる。こうした「心地よさ」がよい眠りを引き寄せてくれます。そして「心地よい記憶」はからだが覚えて、またやろうという気になるのです。

眠りに不満のある方や、安眠の方法をもっと詳しく知りたい方は、大郷さんの本をご一読くださるようお奨めいたします。