免役細胞は良質のタンパク質から作られる
2020年09月14日
タンパク質が不足すると免疫力が低下する
タンパク質は筋肉や臓器など、私たちの体を構成する成分ですが、免役細胞の原料でもあるので、不足すると免役力が低下してしまうのは当然のことです。
タンパク質を構成するアミノ酸は約20種類。
そのうち、体内で合成できない9種類を必須アミノ酸といい、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品が「良質なタンパク質源」となります。
必須アミノ酸は9つのうち、どれか一つでも不足していると、不足しているアミノ酸のレベルでしか利用されません。
この利用率を示したものをアミノ酸スコアといい、最高値が100%で示されます。
タンパク質は体内に蓄えることができないため、良質なタンパク質を毎食とり入れることが大切です。
肉以外に魚や大豆製品を摂る
必須アミノ酸のバランスは食品によって違い、体内での働きが異なるので、多様な食品を組み合わせて取り入れることが大切です。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の摂取の割合は1:1が目安といわれています。
ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉や、牛、豚、羊など赤い色の肉を過剰にとると大腸ガンのリスクが高まるというデータがあります。
肉だけに偏らず、魚や大豆製品を積極的にとるように心がけましょう。
良質なタンパク質を多く含む食材
大豆・大豆製品
大豆には樹状細胞を元気にする良質なタンパク質や微量栄養素がきっしり含まれて、血管を元気に保ち、免疫細胞を活性化します。
大豆は必須アミノ酸をバランスよく含んだ優れたタンパク質源です。
ビタミンB群、ビタミンE、サポニン、ペプチド、イソフラボン、グリニシン、フィチン酸、レクチンなど、生活習慣病予防や免疫力強化に役立つ多彩な成分が含まれています。
豆腐は神経の安定にかかわるタンパク質やカルシウムが豊富です。
納豆は、発酵によって腸内環境や血流をよくする作用がアップしていますし、皮膚や粘膜の再生を促すビタミンB6も増えています。
魚
魚には、細胞膜の原料になり血流をよくする不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
おすすめは新鮮な青魚で、生で食べるか、軽く加熱して摂ってください。
魚介類に含まれる魚油には、n-3系不飽和脂肪酸のEPAやDHAが多く含まれます。
EPAは細胞膜の原料になり、血管の収縮や血小板の凝縮を抑え、DHAは動脈硬化の進行を抑えるといわれています。
また、免役を正常化し、アレルギー症状の改善にも役立つとされています。
EPAとDHAは、とくに青魚に多く含まれていますが、酸化しやすいことが難点です。
新鮮な魚を選び、なるべく生か短時間の加熱で食べましょう。
抗酸化作用のある野菜を合わせるのもおすすめです。
卵
卵は必須アミノ酸をバランスよく含む完全栄養食品です。
卵は、消化のよい良質なタンパク質源で、疲労やストレスの回復にも役立ちます。
卵は、細胞や組織の構成成分となるタンパク種の原料となる必須アミノ酸をすべてバランスよく含み、ビタミンやミネラルも豊富に含みます。
卵黄に含まれるコリンには血管を拡げて血流をよくする働きがあります。
また、細胞を元気にし、動脈硬化を予防するレシチンの成分になります。
白身には、殺菌作用をもつリゾチームが豊富です。
さらに白いひも状の部分(カラザ)には免疫力強化に役立つ成分も含まれています。
肉
肉には免疫細胞やホルモンの材料になるタンパク種や脂質を含んでいます。
鳥豚牛など、いろいろな種類の肉を適度に食べるのよいでしょう。
免疫力強化の点では、適量の肉を食べることが大切です。
何よりも免役細胞やホルモンの材料になるタンパク質や脂質を効率よく摂取できます。
牛肉や羊肉にはカルニチンや鉄、豚肉には、疲労回復や神経の鎮静に役立つビタミンB1や免疫力アップに役立つ亜鉛が多く、鶏肉には抗酸化物質のカルノシンやアンセリンが含まれます。
特定の種類や部位が偏らないようにし、抗酸化物質や食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻などと合わせてバランスよく食べることがポイントです。