酒・タバコと免疫
2015年07月13日
タバコが免疫力を低下させる理由
喫煙は肺からからだに有害な物質を取り込む行為です。
そのため、免疫は肺の粘膜で異物を感じ取り、免疫細胞の主力である白血球が増加します。
つまり、タバコを吸うことで免疫力が一時的にアップするのです。
しかし、喫煙量や喫煙期間が長期に渡れば健康を害する大きな要因になります。
喫煙はからだを守る機能を低下させる
喫煙による有害物質の一例として、ニコチンがあります。
これは血管を過剰に収縮させて血行を悪化させ、血中の免疫細胞の活動を阻害します。
血流の停滞は、同時に免疫の主力となる白血球やリンパ球の生産を減少させます。
さらに、喫煙は免疫のエネルギーとなるビタミンCを大量に消費します。
これらの様々な要因が重なって免疫力が確実に低下してしまうのです。
他にもまだあります。
喫煙による唾液の分泌量の減少。
気管支や肺から異物を体外に吐き出す線毛の働きの低下などです。
このように、喫煙はからだを守る防衛機能をいちじるしく低下させます。
そこにタバコに含まれる多くの発がん性物質が取り込まれてくるとすれば、がん発症のリスクは大幅に跳ね上がることに納得がいくのではないでしょうか。
また、喫煙による血管の過剰な収縮は、動脈硬化や脳卒中のリスク高めます。
その血管の収縮が様々な病気の原因につながっていくのです。
喫煙は、その煙を吸うまわりの人にも健康被害を広めます。
副流煙に含まれる有害物質の量は、喫煙する本人の4倍にあたるともいわれています。
タバコが体におよぼす影響【まとめ】
◆ニコチンが血管を収縮させ、血流を悪化させる
◆免疫の主力である白血球の一種やリンパ球を減少させる
◆唾液の分泌を低下させる
◆気管支や肺から異物を外へ吐き出す線毛の働きを低下させる
◆免疫力を高める働きを持つ、ビタミンCを消費する
◆有害物質を多量に取り込むことにより、免疫機能が疲弊する
お酒が免疫力を低下させる理由
アルコールは血管を広げる作用があり、血行が良くなって免疫力の主役である白血球やリンパ球が働きやすくなります。
また、適度な酔いは快感をもたらし、ストレスを解消して免疫を活性させてくれます。
さらに適量の飲酒は悪玉コレステロールの増殖を抑え、善玉コレステロールを増やして動脈硬化を防いでくれます。
古くから「酒は百薬の長(どんな薬よりも効く)」と尊ばれているのはそのためです。
しかし、そのことわざも適量を超えると通用しなくなります。
アルコールは適量を超えると危険
アルコールは肝臓で分解されてアセトアルデヒドという物質に変化します。
このアセトアルデヒドは、人の染色体・遺伝子を傷つけてしまうことが近年の研究で明らかになってきました。
遺伝子を傷つけるということは、その細胞がガン化する可能性が高くなることです。
血中のアルコール濃度が一定以上になると、免疫細胞のパワーが大幅にダウンしてしまうことも明らかになっています。
体内でがん細胞が増えれば、がんを発症しないために免疫細胞もフル稼働で働きつづけます。
こうして免疫機能は健康を維持するペースに追いつかなくなって低下していくのです。
飲酒は適量に注意しなければなりません。
ほろ酔い程度ならストレスの解消になり、百薬の長と言えるのですが・・・、それも飲みはじめから1~2時間です。
飲酒量のペースにもよりますが、それ以上飲み続けると興奮状態になり、心身に緊張をもたらし、免疫にとって様々な悪影響をもたらすことがわかっています。