ストレスと免疫
2015年06月22日
ストレスは免疫低下の原因
病気の原因の9割はストレス
私たちが病気になる原因は何でしょうか?
感染症であれば細菌やウイルス。成人病なら悪しき生活習慣。がんであれば発がん性物質でしょうか。
免疫学の世界的権威である新潟大学大学院教授、安保徹さんはこういいます。
「病気の原因の9割はストレスです。」
理由はとても明快。過剰なストレスが免疫力をいちじるしく低下させたために、からだを病気から守る防衛力が不足するからです。
過剰なストレスが原因となって病気が発症までのからだの変化は・・・
過剰なストレス → 自律神経の乱れ → 免疫力の低下 → 病気の発症
ということになります。
このように免疫力の低下には自律神経(*自律神経の項目を参照)が関わっています。
ストレスをゴムボールに例えると、手でゴムボールを握りつぶしたときにボールにかかる圧力がストレスです。この場合、ボールを握る手はストレスの原因=ストレッサーと呼ばれています。
つまり、ストレスとはストレッサーの圧力によって生じた「心やからだのゆがみ」です。このゆがみが自律神経に乱れを生じさせ、それが原因となって免疫低下をもたらすのです。
免疫を低下させるストレスの種類
安保教授は病気を引き寄せる「3大ストレス」として次のようにまとめています。
1. 働きすぎ
働き過ぎは誰にとっても心身に疲労をもたらします。また、ゆとりのない生活が充分な食事や睡眠による疲労回復の時間を奪い、心身機能の衰弱化が進みます。
2. 心の悩み
不安や心配事が頭から離れないことです。解決しようのない悩みや重大な不幸が継続的な心の重荷となって、からだまでむしばんでいきます。
3. 薬の過剰投与
生物は根本的に薬に反発するようにできています。薬を異物として捉えて跳ね返そうとします。そのため長期の、または多量の薬品投与は免疫をしだいにひ弱にします。
このほかにも、私たちのまわりには数多くのストレスの原因となるストレッサーが存在しています。ストレス全般をまとめてみました。
◎ストレスの性質と、個々の様々なストレッサー
- 生理的ストレス……細菌、疲労、空腹、睡眠不足、ケガ
- 物理的ストレス……寒さ、暑さ、騒音
- 化学的ストレス……薬品、シックハウス
- 精神的ストレス……生活上の不幸な出来事、経済的な不安、不況、失業、転居、転職、進学、人間関係、子育て、焦り
- 社会的ストレス……長時間労働、過密スケジュール、満員電車などの過密な場所、クリスマスやバレンタインデーなどのイベント
ストレスを感じた時のケア
ストレスがたまっていると感じたら、免疫機能がダウンしてしまう前に、早めに対処しましょう。
一番確実なストレス解消法は、ストレスの原因となっているものを取り除くか物理的に遠ざけることですが、容易なことではありません。
ストレスを感じたら、まず行いたいのが「休息」です。
心身を休ませて緊張がほぐれれば、副交感神経が活発になりT細胞やB細胞などが力を発揮しやすい環境となります。
好きな音楽や好きな香りなどの力を借りて「休息」をとるのも良い方法です。
ストレスを感じた時には、イライラした気持ちを紙に書き出すだけでも効果があるといわれています。
自分一人でできる自分なりの上手なストレス解消法を見つけましょう。
[まとめ]
免疫とは病気からからだを守る防衛システムです。その防衛力である免疫を過剰なストレスが弱らせてしまうと病気になるのです。
けれど、一般的に医師は患者のストレスを探るような診察は行いません。ですから、免疫を低下させているストレス源は自分自身で見つけ、解消しなくては根本的な健康対策とはなりえません。