そのお腹の悩みは過敏性腸症候群かも
2020年11月02日
下痢型、便秘型、混合型がある過敏性腸症候群
急増する過敏性腸症候群は、とてもやっかいな病気。
近年、腸内細菌が話題になったことで、同じお腹の悩みを抱えている人がこんなにいることに驚いた人も多いのではないでしょうか。お腹の不調に悩む人は非常に多く、世界的にも急増しています。
特に日本人の場合、10人に1人が便秘や下痢、お腹の張り、腹痛などの症状に悩み、消化器科を受診する人の約3割が「過敏性腸症候群」だともいわれます。
過敏性腸症候群は、病院で検査を受けても目に見える異常がないため、医師からも「心の持ちよう」などといわれてしまうことの多い病気です。
感受性が強く、ストレスを受けやすい10~30代の若い人に多く、環境汚染物質も要因の1つといわれます。
過敏性腸症候群は、「下痢型」と「便秘型」、下痢と便秘を繰り返す「混合型」の3タイプに分けられ、いずれも便が出ると症状がやわらぐのが特徴です。
はっきりとした原因はわかっていませんが、第2の脳とも呼ばれる「腸管神経系(ENS)」がかかわっていると考えられ、うつや自律神経失調症などの精神疾患をはじめ、だるさや疲労感、不眠、頭痛、肌荒れ、肥満など、さまざまな症状の引き金となって全身の不調を引き起こします。
お腹だけでなくQOL(生活の質)の低下を招くため、非常にやっかいな病気です。
過敏性腸症候群の主な症状
もし、以下の3つにあてはまれば、過敏性腸症候群の可能性大です。ただし、大腸ガンなどでも似たような症状が起こるため、疑わしい場合は医師に相談してください。
・腹痛時に便の回数が増減(便秘、下痢)する。
・排便すると痛みや不快などの症状がやわらぐ。
・お腹の痛みや不快を1ヶ月に2回以上繰り返す。
過敏性腸症候群は性差がある
過敏性腸症候群の3タイプ
下痢型・・・下痢型の過敏性腸症候群は若い男性に多く、突然便意をもよおし、下腹部が収縮して強い痛みを感じます。動悸や冷や汗とともにトイレに駆け込むと、泥や水のような便(泥状便・水様便)が出る。便を出しきってしまうと症状は落ち着く。とにかく、我慢できない便意が急に襲ってくるのが恐怖なのが下痢型の過敏性腸症候群の特徴です。
便秘型・・・便秘型の過敏性腸症候群は若い女性に多く、3日以上便が出ないことが多いです。便は水分がなくなり、固く短い便やコロコロした便になります。頭痛や吐き気、当重患などの症状があります。便を出しきってしまうと症状は落ち着きます。がんこな便秘を体質だと思っているケースが多いです。
混合型・・・下痢と便秘を繰り返す混合型の過敏性腸症候群は、腸の動きが早くなったり遅くなったり不安定です。便秘が続いたあとに下痢が始まり、下痢がおさまると便秘が始まる、というように便秘と下痢を口語に繰り返します。若い世代に多く、男性にも女性にもみられます。お腹の調子に振り回されることになるので、毎日の生活がつらいです。