暑い夏の外気に触れる「暑熱順化」
2020年06月05日
汗をかく力を鍛えて夏を乗り切ろう
人間が持つ体温調節機能の中で最強なのは、やはり「汗」の力です。
とくに日本の夏季の暑さに対して、発汗によって身体から熱を逃がす方法は、日本の長い夏を乗り切るために不可欠な身体能力ですが、近年の人工的な空調による室温管理でこの身体システム能力が確立されずに夏を迎える傾向が強まっているのは大変懸念されることです。
暑熱順化が夏を乗り切る早道
夏が近づくと自然状態では次第に身体は汗をかきやすくなります。これを「暑熱順化」と呼びます。
成人でほぼ2周間の連続した高温環境に置かれることで「暑熱順化」は完成します。そして逆に約3週間の気温低下経験で「暑熱順化」は解消されます。
「暑熱順化」を人工的な環境、例えば入浴時間を延ばす等で作ることは極めて難しく、最高気温28℃以上の日が続く中で汗をかく身体順化が必要となります。
都会型の生活では、高気温に身体を晒して汗をかきやすくする、という時間は本当に少ないですね。それに、汗はほとんどの人にとって不快な経験なので、すぐにその環境からの脱出を図ってしまいます。
でも、1日1時間ほど外気温の中に身を置いて「暑熱順化」を正常にすすめることが温暖化した日本の夏を上手く乗り切る一番の早道です。
来年は真夏の東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。そのまたとないエベントを熱中症にならずに楽しむ準備をするために、今年の6月は、「暑熱順化」の練習をされてはいかがでしょうか。
ただし、決して無理はせずに、水分補給はこまめに行なってくださいね!