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「からだ」は同じ時間に食べたがっている

いつ食べればいいの?

「食」について考える場合、たいていの方は「どんなものを」食べようか、「どんなところで」食べようか、あるいは「誰が」調理したものを食べようかを考えます。

 

肉、魚、野菜?作る、作ってもらう?どこのどんなお店に食べに行く?というようなことを考えるわけです。

 

このように、人は「食」を「からだ」ではなく、「脳」で考えています。何を食べたいか、その食事は安全か、健康に良いか、シェフは誰か、様々な情報を吟味しているのが「脳」の特色です。

 

しかし、同じ質問を「からだ」にすると、帰ってくる答えは違うのです。「からだ」は、毎日同じ時間に、多すぎず少なすぎない量を、同じくらいの時間をかけて食べたい。これが「からだ」の自然な欲求です。

 

とくに食事を摂るタイミングは食事の回数に限らず、起床後は1時間以内、就寝前は2時間以上前にすますことが「からだ」が欲するリズムです。

不規則な食事が健康を害する

「食」はいのちの出発点であり、日々「からだ」を再生していくための基本の栄養源ですから、「食」については「からだ」の言い分を先に聞くのが健康を考える上での道理です。

 

その「からだ」が「脳」に訴えていることは、「食のリズムを大切にすること」です。

 

「食のリズム」を無視した不規則な時間の食事や、食事抜きの生活をつづけることが「からだ」を悪しき方向へと導いてしまうのです。

食事はからだに負担を強いる

食べるというい行為は、私たちが考える以上に「からだ」に負担を強います。唾液を出すという働きにはじまり、様々な消化酵素を分泌し、口腔・胃・腸をフルに働かせて食物を細かく粉砕し、消化・吸収してようやく体内に栄養素として取り込みます。

 

そのあとも、栄養素別のホルモンを撒いて体中に司令を送り、細胞でブドウ糖を燃やしてエネルギーに変えたり、肝臓の化学工場で身体機能に必要な様々なタンパク質に作り替えたりします。さらに、有害物質については取り扱いに注意しながら、排出口へ運びます。

たまに好物を食べると脳は満足

こういうしんどい作業ですから、毎日時間を決めて効率よくこなしたい、と「からだ」は願っています。とくに粉砕作業は、できるだけ口中の噛む行為できちんと時間をかけて処理してもらえるとありがたいと「からだ」は思っているのです。

 

そうはいうものの、あまり「からだ」の言い分ばかりで例外を許さないと、機械的なルールが嫌いな「脳」は拗ねてしまいます。

 

そこで「からだ」は週一回くらいなら「脳」が自由行動して食事を決めてもいいよ、一日に二回くらいなら少しのおやつを食べてもいいよ、と寛容に構えています。なにか、親子や人間関係の間柄のようで面白いですね。