蓮(ハス)について

 

蓮はスイレンなどとともにスイレン科(ヒツジグサ科)のハス属(ネルンボ属)で、植物学的にいえば2種類であって、赤、白の花色をもつ東洋産種と黄色の花色をもつアメリカ産種に分類されますが、東洋産蓮の中に食用に供する品種と観賞用に供する品種がたくさんあります。

蓮の歴史・由来

蓮の歴史は大変古く、出土した化石のなかで古いは白亜紀(1億3500万年前)のもので種子植物が発達する頃よりすでに繁茂していたことが分かります。

日本では北海道の白亜紀後期からシキシマバス(Nelumbo nipponia Endo)が、九州の第三紀層からトヨウバス(Nelumbo orentalis Matsuo)が出土し、また京都山城の洪積層(1~2万年前)出土のものは現在の蓮(Nelumbo nucifera)と同様なものであるといわれています。

 

蓮は白亜紀から出現して幾多の地球の変遷を経て現代に至っていますが、気候の変化は大きく影響し、特に氷河期には、北方のものはほとんど絶滅し、後退してしまったようです。日本においても、第三氷河期の最後にあたる洪積層の蓮が現在と同じであるということは、蓮の在来説を裏付ける一つの例証となります。

また、検見川出土の実や「古事記」や「風土記」の記録からしても、蓮は古くから在来していたのではないかと思われます。

もっとも仏教伝来以後、名僧知識が宗教的意義によって中国より渡来したものもあり、現在の蓮の起源は多源的であるといわざるをえません。

蓮の効果・効能

蓮は中国の漢時代の作といわれる「神農本草経」によると優れたものとして薬用に供せられており、万病の薬として、心身共に軽やかにし、生気躍動せしめるものとされてきました。

また、「本草拾遺」にも、百年を経た実を食すると「髪黒クシテ老イズ」とあり、不老不死の薬として、信仰的にも用いられてきたが、現在でも漢方薬として珍重されています。

蓮の葉 煎汁は利尿、止血、遺精(いせい)、精神の鎮静、腰痛、下痢、疝気(せんき)、淋疾(りんしつ)、寝小便、痔の出血に効果があります。

 

また荷鼻粥といって荷鼻(中盤)をきざみ、粥に混ぜて煮たものは精気増進に効果があるとされ、中国では皇帝始めこれを常用したと言われています。

太平天国の洪秀全(1814~1864)は80名の女性を御するのに、これを常用していたと伝えられています。 蓮の花 干した花弁をもんで、腫れものに貼布すると膿を出す効能があり、また、乳腫れにもよいとされています。

蓮の花托(蓮房) つき潰して、あかぎれやしもやけに塗付する。または煎じて飲めば悪血(おけつ)を癒やすとされています。

大賀ハス

蓮を科学的にとりあつかい、蓮についての関心を高めた功績者は大賀一郎博士です。

蓮の実の長寿性から、花、レンコン、ハス系と各分野について72の論文を出し、一生を蓮の研究に捧げられました。また博士は昭和26年(1951年)に千葉市北西部にある現東京大学総合運動場の泥炭層の下の青泥中から、古蓮の実3粒を発掘され、およそ2000年以上を経過しているものと推定されました。

大賀ハスはこの実より発芽育成したものであって、現在、千葉市はじめ日本国内はもとより、中国、西ドイツ、アメリカ、インド、オーストラリアに分根植栽されています。

 

厳選素材一覧へ戻る

前へ

次へ