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七十二候の昼餉

イナダの三枚おろしに挑戦

イナダの三枚おろしに挑戦

イナダ

所要時間:15分

材料
イナダ

この侯について

第三十九候(立秋末候)8月18日~8月22日

蒙霧升降(のうむ しょうりゅうす)

旬の食材:イナダ

 

「蒙」という漢字は、覆い隠すという意味です。おおいかくすようなきり=濃霧という訳です。「霧」と「霞」(かすみ)は同じく湿った空気が冷やされ、水蒸気が微粒の粒になったものです。「霞」は春の季語、「霧」は秋の季語です。朝霧という言葉があるように、中山間地の秋はしばしば明け方に濃い霧がたちます。弊社のお米を作ってもらっている山形県真室川はまさに秋の朝霧の土地で、お米の収穫の時期はしばしば朝霧が町を覆います。霧が水滴となって実り始めた稲につき、重そうに頭を垂れます。

ヒラキのコメント

私が子供の頃は、住んでいた埼玉県南部でもよく霧がかかりました。おそらくまだ畑地や雑木林が多く、霧になるくらい十分な水蒸気が地表から立ちあがていたのでしょうね。住宅が増え、道路が拡がり、郊外型ショッピングモールができる頃には、もう秋の朝霧は見ることもなくなりました。

イナダはぶりの幼名の一つ。20cm~30cmくらいのものを言います。ぶりは出世魚で大きくなるにつれて名前が変わります。地方によって呼び名は違うのですが、関東では20cm未満をワカシ、30cm~40cmはハマチ、40cm~60cmはワラサ、60cm~70cmはメジロ、70cm以上をぶりと呼び分けているそうです。ぶりは冬が脂ののった旬ですが、まだ幼いイナダは刺身にしたときの、くせのないあっさり感が夏にぴったりです。大きさも3枚におろすのにちょうどよいので、1本買ってきて、3枚下ろしの練習をしました。

作り方

<イナダの刺身>

  • イナダは背中からエラまで包丁を入れて頭を落とす
  • 腹を割って内臓を取り出し、よく水洗いする
  • 頭を落とした切り口から背骨に沿って包丁を滑らせて半身を分ける
  • 逆側もひっくり返して同じように背骨に沿って包丁を入れて半身をとる
  • 半身の頭側から皮を手でめくり取る。小口に厚めに削ぎ切りする。わさび醤油で戴く