一覧に戻る

男だらけの「ひな祭り」

男の子のお祭りがないのは不公平

女の子には「ひな祭り」があるのに、どうして男の子だけのお祭りがないのか?

 

そういう些細なことに不公平感を抱く年頃だったのでしょうか。小学6年生の3月初旬、あと2週間で卒業式という土曜日に、5人ほどの男の子で集まり、女子禁制のひな祭りを挙行したのでした。

 

ところが集まったメンバーには誰も女兄弟がいません。ひな壇に人形を飾る程度の知識しかないのですが、さすがに男子だけで人形遊びをするのはかっこうが悪いので、とりあえずこの日だけの?食材を飲み食いすることで「ひな祭り」と称することにして、各自でひな祭りらしい食べ物を持ち寄ることにしたのです。

 

集まったのは、ひなあられと菱餅と甘酒(酒粕をお湯で溶いたもの)。全部食べきるのに5分とかからず、しかもなんかあんまり美味しくない(「アポロチョコ」や「ベビースターラーメン」のほうがよっぽど美味しかった)、あっという間に手持ち無沙汰になってしまいました。

 

12歳の男の子にはおしゃべりをして時間を費やす、という習慣もスキルもありません。それぞれがしばし本棚にあった漫画を読んだりしていましたが、誰かが「なんかひな祭りってつまんないなぁ、野球しにいかない?」と言い出し、あっという間に全員が賛成し、外に飛び出していきました。