一覧に戻る

冬山で思う「料理は火の賜物」

毎年誕生日は雪山に入ります

2月は僕の誕生日です。

 

毎年その日は前日から一人テントをかついで雪山に入り、寒さに耐え、震えながらシュラフに包まって歳を重ねます。

 

雪の上に設営するテントはお尻の下から冷気が上がってきます。少しでも身体を温めなければ眠ることができないので、温かい汁物を作ります。

 

手を抜くときはインスタントラーメンに野菜を入れただけの時もありますが、それでも温かさが素晴らしいごちそうです。

 

コッヘル(小鍋)を口に近づけ、やけどするほどの暑さに耐えて汁をすする快感は格別です。汁は胃、腸から温かさを体内へ伝えてくれます。料理とは火の賜物であるとしみじみ感じます。

北海道大学スキー部のココア

かつて札幌で仕事をしていた頃、北海道大学のスキー部に同行して雪山で山スキーを楽しんだことがあります。

 

山スキーでは、スキーにあざらしの皮(滑り止め)を履いて、林間を登っていきます。通常のスキーの5倍くらいの体力を消耗してしまいます。

 

休憩の際は小テントを張り、テント内で温かい飲み物を作ります。北海道大学スキー部の伝統は創立以来ココアです。

 

鍋に牛乳とココアパウダーと驚くほどの大量の砂糖を入れ、沸騰直前に火を止めます。

 

その鍋をメンバー全員で回し飲みしするのですが、普段なら耐え難い甘みも雪中行軍の中ではこの上ない美味。不思議なことに7~8名で飲んでもみな同じ回数を飲んで鍋が空になります。

 

エスキモーかインディアンになったような気分の回し飲みです。